日本は国家か

1. 国会議員らの発言

「自衛隊機のレーダー照射事件」や「徴用工の差し押さえ」の件で、このところ国会議員や知識人と言われる方々が、「韓国はもはや国家として機能していない、国の体をなしていない」と言った声が、SNS上を賑わせている。確かに、文在寅大統領の発言NHKニュースの「どうすることもできない」や「三権分立」の話は、国際法に照らしておかしいと思う。しかし、もし韓国が国家の体をなしていないと言うならば、逆にそういう方たち(特に国会議員の方々)に問いたい。ならば、日本は国家なのかと。

2.拉致事件

横田めぐみさんが北朝鮮に連れ去られて40年以上が過ぎた。めぐみさんが北朝鮮で生存していることが判明した1997年、そこから21年が過ぎても、帰国した5人にとどまり、残る被害者の奪還はかなっていない。北朝鮮は被害者の解放に応じないばかりか、偽の遺骨を提示しその安否さえウソをついてきた。

そればかりか、日本列島を核で沈めると威嚇し、2012年から数えて実際にミサイルを54発も発射している。特に2017年8月29日に打たれた平壌近郊から発射されたミサイルは、北海道南部の上空を通過し、襟裳岬から1180キロの太平洋上に落下した。その後も、9月15日に日本列島を越えてミサイルが発射された。つまり、日本の頭の上をミサイルがゆうゆうと越えていったのだ。

もう10年も前になるだろうか。「北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会」が開いた国民大集会に参加したことを思い出す。参加したいと思い、事務局に電話した時のことだ。私が「参加したいので予約をお願いします」と言うと「予約はとっていないので直接おいでください」と言われた。「席が埋まってしまうのではないでしょうか」と聞く私に、事務局の方は「席が埋まるほど来ていただけるといいのですが・・・」と答えられた。
 
その意味するところは当日わかった。砂防会館の横長の会議室。席は約1000席あるが、前方の席は県や市の地方議員、そして後方は大手メディアやフリーライター。一般の人がいた席数は席数の半分、500人くらいだったろうか。首相始め、大臣、国会議員が出席し、そして拉致被害者の方々もおられる、内容はまさに国民大集会であるのに、だ。虚しくピンバッジを買って帰ったのを覚えている。

3.自衛隊「Self-Defense Forces」

防衛省が公開した自衛隊機がレーダー照射を受けた動画で、自衛隊機は「THIS IS JAPAN NAVY」と韓国海軍に呼びかけている。NAVYは「海軍」を意味する。しかし、実際は日本国内ではNAVYではなく自衛隊であり、英語では「Self-Defense Forces」という意味不明の英語で、国外では軍隊、国内では軍隊ではない。

4.国家とは

国家とは、国の安全保障に寄与し、国民の生命・財産を守ることが最大の責務である。

「日本はそんな国だったのか…」と思うと悲しくなります」と、早紀江さんはインタビューでこう言われた。また、めぐみへの手紙で、「今、強く思うのは被害者全員を救い、最後に祖国の土を踏ませる責務は、日本国であり、政府であり、政治家にあるということです」とも言われた。韓国を「国の体をなしていない」と嗤う議員はこの言葉にどう答えるのか。

在日米軍基地の提供によってすでに集団的自衛権などとっくに行使しているのに、するだしないだの議論をし、自然権として存在しているという自衛権どころか、自衛隊を明記するだしないだの、憲法論議さえ一歩も前に進まない。

2018年5月北朝鮮に拘束されていた米国人3人は解放され、帰国した。横田めぐみさんが米国人ならどうだったか、考えるまでもない。いま、日本は国家かと問われたら、「いいえ」と答えるしかない。

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