沖縄基地問題の根本:「県民の3択」より「国民の2択」を

名護市辺野古の移転の賛否を問う県民投票が2月24日、賛否2択に「どちらでもない」を追加した3択で行われる(産経新聞)が、この投票には法的にはなんら意味がない。すでに県の要求は最高裁に棄却されているので、この投票で仮に過半数が反対しても埋め立て承認を撤回することはできない。さすがに玉城知事もそこはわかってやっているのだと思うが、この件に関しては少なくとも知事は以下の点で矛盾しているし、不誠実である。

1.少数民意である地元当事者に寄り添わない

昨年2月には名護市長選挙で、政府与党支援の渡具知武豊氏が当選、9月の移転元の宜野湾市長選挙では、辺野古への移設を進める政府与党の支援を受けた松川正則氏が当選し、オール沖縄は敗れた。国は10月17日、辺野古沖の埋め立て承認を県が撤回したことに対抗措置を取ったが、このことに対し玉城知事は「知事選で示された民意を踏みにじるもので、到底認められない」と発言した
。しかし、民意を踏みにじるなというならば、この市長選挙で示された2つの選挙結果(民意)はどう考えるのか。

2.非現実的な米軍基地の撤退

玉城氏は昨年9月の知事選中、「日本政府から普天間基地など具体的に沖縄の海兵隊削減を強く求めれば実現性は高い。世界一危険な普天間基地の無条件閉鎖・返還、辺野古基地断念は可能」と(発言)している。これは普天間基地も辺野古基地も廃止は可能であるとの見解だが非現実的である。東アジアの現状の安全保障の観点から見ると沖縄は日本にとってだけではなくアメリカにとっても重要拠点であることは明らかであり、特に海兵隊は大きな抑止力となっている。

この県民投票は法的にも無意味であるが、そもそも、基地問題の要諦でもない。この基地問題の根本をたどれば、日本が自立していないことにつきる。米軍基地があるのも安保条約にもとづく地位協定があるからで、自国を自力で守るかどうかという憲法改正の議論もなく、この県民投票のニュースを大手メディアがこぞって取り上げるのは、バカバカしい話しにしか思えない。そこにあるのは、残念ながら日本は独立国の体(てい)をなしていないという事実だけである。

憲法9条では、「戦力の保持」を禁止し、「日本には軍隊がない」ことになっている。「自衛隊は憲法上における軍隊ではない」という考え方を政府は取っているが、国際法的には軍隊であるという立場をとっている。こういった矛盾を抱えつつ、米軍基地だけの話しをしてもあまり意味がない。憲法を改正し日本が自衛の軍を持ち、同時に日米双方からみてゆがんだ地位協定をどうすべきか議論すべきではないか。

選挙は何らかの益があるから行うものであるが、国と国とで決めた話をこの県民投票ではくつがえせず、なんの益もない。効力のない投票はいくらやっても無意味でしかない。それでもやるならば、いっそのこと、沖縄県だけの辺野古移転是非3択ではなく日本の有権者全員に、日本は自国を「自力で守るべきである」、「自力で守るべきではない」の2択の国民投票でもやってもらいたい。もし前者が過半数を超えるなら、日本国民に憲法改正の意思があるということになり、今、岩のように止まったまま動かない憲法審査会を動かすかもしれない。(なお、当たり前ですが、この国民投票には憲法改正含む法的効果は全くありません。)

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